• 理科 地学部 下河邊君(高2)が国際地学オリンピックで金メダル

理科 地学部 下河邊君(高2)が国際地学オリンピックで金メダル

2022.09.12

  • 2018年度入学
  • 地学部
  • 理科

8月25日から31日にかけてオンラインで開催された、国際地学オリンピック・イタリア大会で、高校2年生の下河邊太智君が、個人成績で7位に入り、参加者上位10%に与えられる金メダルを獲得しました。 おめでとうございます!!

国際地学オリンピックで金メダルを獲得した下河邊君

第15回大会となる本大会では、世界34の国と地域から204名の代表選手が集まりました。オンラインでの実施ながら、個別試験のみならず、各国の混成メンバーによる調査・プレゼンテーション(ESP)や、国別チームで事前実施した野外調査とその成果のプレゼンテーション(NTFI)なども行われました。ESPにおいても、下河邊君が所属したチームは金メダルを獲得しました。また、NTFIにおける日本チームは銅メダルでした。

個別試験を受ける下河邊君

 

ESPの発表をする下河邊君

 

金メダルの発表後、スピーチする下河邊君

詳しくは,文部科学省の発表も参考にしてください.

文部科学省の発表:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2022/1419630_00014.htm

また、国際地学オリンピックに出場したメンバーは、「文部科学大臣表彰」を受けました。

文部科学大臣表彰のようす:https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2022/20220901.html

 

以下に下河邊君の感想を掲載します。

大会への参加を通じて私が特に印象深かったのは、各国チームごとに自国内でフィールドワークを行い、その調査結果を発表するNTFIです。以前の実地開催の大会では、他国の選手とともに開催国でフィールドワークをして調べた内容を発表するという競技が実施されており、その競技の代替として、オンラインの今大会ではNTFIが行われました。さまざまな国のチームによる個性あふれる発表はオンライン大会ならではのものだったと思います。日本チームは、”Volcanic Distancing”と題した発表を行いました。伊豆半島周辺にある火山の火口の分布をフライ法という手法で分析して出てくるパターンが、どういう理由によるものなのかを考察する、という趣旨のものです。フライ法での分析は、トレーシングペーパーを使って一人あたり数千個の点を写しとっていくという非常にアナログな作業で大変でしたが、そのアナログさが高校生らしくて面白いと審査員に言っていただくことができました。発表の準備として、研修中に伊豆半島の大室山や城ヶ崎海岸などの火山活動に関連した場所を訪れ、火山の専門家である先生の話を聞けたことは、とても楽しい体験でした。発表スライドの制作が発表直前までかかってしまい、発表練習などの準備が十分にできなかったことには反省が残りますが、結果的には満足できる発表となり、銅メダルをいただくことができて良かったです。発表の準備に際して先生方からさまざまなアドバイスをいただきましたが、それらのアドバイスは、今回の発表だけに限らず、今後のほかの機会に発表する際にも役立つ、非常に貴重なものであったと感じています。

また、他の国の代表とチームを組んで、あるテーマに沿った発表をするESPという競技も刺激的でした。私のチームでは気候変動に関連するフィードバックというテーマで発表をしました。チームが決まってすぐに連絡を取り合い、担当を決めてくれた他のチームメンバーがとても頼もしく感じました。結果としてチームで金メダルを受賞することができてとても嬉しかったです。今年はオンライン大会であったため、国際交流の機会がとても少なかったものの、この競技では、他の国の代表とコミュニケーションをとって、協力して作業をするという貴重な経験を得ることができました。

この1週間の大会への参加を通じて経験したさまざまな苦労や刺激は、今後の私の人生の糧となるものになるだろうと感じています。大会の運営に携わってくださった多くの方々に感謝いたします。